常備しておきたい薬膳食材

 スーパーでは手に入りにく漢方食材ですが、普段の料理にちょっと加えるだけでイヤな症状を改善したり体の不調を整えてくれる簡単に使える漢方食材を集めました。漢方薬のように苦いとかマズイとかといった、食材自体に特に味がないので使いやすい食材ばかりです。

乾物なので常備しておき、いろいろなお料理に加えてお使いください。エキスが滲み出て簡単に薬膳効果が得られます。


山査子[さんざし]

お肉の食べ過ぎや脂っこい料理の消化を促進して、胃もたれ解消

五性:微温

五味:酸・甘

帰経:脾・胃・肝

分類:消導

管理こんな体質におすすめ:湿痰、湿熱、血瘀

中医学的効能    :消食化積、止痢、破気化瘀、消脹散結、活血疏肌

食品が持つ主な作用 :消化不良、腹部膨満感、腹痛、下痢、生理痛、消化促進、はしかなど


 サンザシは、バラ科の中国原産の落葉低木で、ミサンザやサンザシの成熟した果実です。

 

日本へは朝鮮半島を経由して、江戸時代中期に薬用植物として伝わりました。花は5~6月に咲き、9~10月に真っ赤な実をつけ、この実が生薬や食べ物として使われます。。

 

学名 Crataegus cuneata 科・属名 バラ科サンザシ属

 

膨満感を解消

 消化不良・胃腸虚弱・下痢・整腸・血圧を下げるなどの薬効があります。

お肉の食べ過ぎや脂っこい料理を食べ過ぎた時などの消化促進におすすめです。

 

 台湾では、焼き肉や火鍋店などで良く注文される「酸梅湯(さんめいたん)」というドリンクがありますが、その中にも山査子が入っています。

山査子入りドリンクを飲んで、たっぷりお肉を食べてもらおうということでしょうかね(笑)

 

 サンザシの主な栄養成分は、ウルソール酸、ケルセチン、サポニン、タンニン、プロテアーゼ、食物繊維・カルシウム・マグネシウム・鉄分・ビタミンA・ビタミンCなどです。

 

 サンザシと一緒に食べる際相性の良いものとしては、米・豚のスペアリブ・赤砂糖があります。逆に良くない組み合わせは豚レバー・海産物・きゅうりやカボチャなどです。この組み合わせで食べるとビタミンCを破壊したり、腹痛を起こしたりする可能性があります。

分量100gあたり

カロリー(kcal)283

脂質 0.4g

ナトリウム 2mg

カリウム 1,000mg

炭水化物 73g

水溶性食物繊維  1g

不溶性食物繊維 1.8g

タンパク質 5g

カルシウム 30mg

鉄 1.7mg

ビタミンB6 0.2mg

マグネシウム 43mg

 

 

 



[下処理方法]

特に下処理は必要ありません。乾燥したままの状態で、いろいろなお料理に加えてお使いいただけます。 


※注意事項

 1日使用量の目安 9〜15グラム。

 


おすすめの食べ方

 中国では、氷砂糖を入れて炊いてスープにしたりお粥にしたりして食べるそうですが、あまり食べなれていませんので、そのままお湯を注いで「山査子茶」にして飲むのが一般的でおすすめです。また、ホワイトリカーにつけて「山査子酒」にしたり、酢豚のタレに山査子を入れてまろやかな味にしたり油で揚げた豚肉の脂っこさを解消して、消化を良くする効果もあるようです。 

山査子茶

山査子片4~5個をカップに入れ、200㏄ほどの熱湯を注いで、数分間抽出します。

マイカイ花や洛神(ハイビスカス)を加えると、よりゴージャスなハーブティーに。

お好みではちみつなど糖分を加えて。


山査子を配合した薬膳茶&薬膳食材、薬膳スィーツ

山査子

山査子入り酸梅湯

黒薔薇茶