常備しておきたい薬膳食材

 スーパーでは手に入りにく漢方食材ですが、普段の料理にちょっと加えるだけでイヤな症状を改善したり体の不調を整えてくれる簡単に使える漢方食材を集めました。漢方薬のように苦いとかマズイとかといった、食材自体に特に味がないので使いやすい食材ばかりです。

乾物なので常備しておき、いろいろなお料理に加えてお使いください。エキスが滲み出て簡単に薬膳効果が得られます。


白きくらげ[しろきくらげ]

楊貴妃や西太后など宮廷の貴婦人が愛した美肌食材

五性:平

五味:甘・淡

帰経:肺、胃、腎

分類:滋陰

管理こんな体質におすすめ:気虚、血虚、陰虚

中医学的効能    :滋陰潤肺、養胃生津、肺虚燥咳、皮膚乾燥、神経衰弱

食品が持つ主な作用 :美肌、咳どめ、空咳、更年期、脱肛、老化予防、放射線治療時の体調など

 

白きくらげは栄養価が高く、多くの体質に適しますが、湿邪が溜まりやすい「湿痰」や水の排出が低下している「気虚」体質の人は控えめにしましょう。


 中国では銀耳(インアル)と言われ、白きくらげ科のキノコで春から秋にかけて、広葉樹の倒木や枯枝に発生します。19世紀までは野生のものしか取れなかったのでツバメの巣に匹敵するぐらいに高級滋養品で、宮廷の貴婦人や貴族の老人などが美肌や若さを保つために愛用していましたが、最近では人工栽培に成功して値段が安くなり一般にもよく見られるようになっています。

 

滋陰潤肺で、お肌プルプル

 中医学では、肌は「肺」の働きと関係していると考えています。

「肺」は喜潤嫌燥で潤いが好きで乾燥が苦手です。

白きくらげは、「肺」を潤す食べ物として知られ、肌に潤いと弾力を与え張りのある艶やかな肌を保つとともに、喉の乾きや空咳なども改善してくれます。

また、白きくらげは、血中や肝臓のコレステロールを低下させる効果が高いとされており、動脈硬化、心筋梗塞などに効果的であると言われ、さらに多種の多糖成分が免疫細胞のマクロファージの機能を高めたり、ウィルスを識別するT 細胞の増殖を促すので免疫力を高める働きも確認されています。一説では抗放射線作用もあるとされ、放射線治療をしている人にもおすすめの食材と言われています。

白い食材で「肺」を強くする 

 中医学では、白は金の属性を表していて、五臓では肺が配されています。

なので、白い食材は「滋陰潤肺」と言って、白きくらげをはじめ百合根、蓮の実、白ゴマ、梨、ぶどう、山いも、松の実、蜂蜜、豆乳などは肺の働きを高めてくれると考えます。

 

 」は、中医学では「気を主る」「宣発粛降を主る」「通調水道作用」「百脈を朝め、治節を主る」と言った働きがあると考えます。(ちょっと表現が専門的です)

 つまり、呼吸によって酸素を取り入れ「清気(せいき)」と呼ばれる「気」を作ったり、気・血・津液を全身に散布や輸送をしたり、毛穴を閉じたり開いたりして体内のよごれた邪気を排出したり、外からの邪気の侵入を防いだり、さらには体内の水の巡りをコントロールしたり、経脈はすべて「肺」を通っているので経脈を運行している気・血の流れを調節したり…といった働きをしているということです。

 

 そして、心(感情)や体の諸器官との関係では、

1.憂(ゆう)は肺の志、

2.涕(てい)は肺の液、

3.体は皮に合し、華は毛にある、

4.鼻に開竅(かいきょう)する、

と言われます。

 

 憂い(心配事で悩んだり心配し過ぎるなど)は、「肺」の働きを傷め、低下させてしまいます。

 涕(てい)とは鼻水のことで、正常な場合は涕が鼻の粘膜を潤し、皮毛(ひもう)と呼ばれる皮膚や体毛は「肺」の働きによって、潤いを保ち艶やかで弾力のある肌や毛を保っていたり、毛穴を開いたり閉じたりして体温調節したり外のウィルスなどの侵入を防いだりしていると考えているのです。


 このように「」は、皮膚(肌)や体毛、鼻、のどなどの働きをコントロールしています。

「肺」の働きが弱まると、ちょっとしたことでも心配しすぎたり悲しんだりという情緒不安定(感情が乱れやすい)になり、「肺」が冷えすぎると涕が鼻水となって外に漏れ出し、逆に「肺」が乾燥すると涕(鼻の粘膜)も乾燥しウィルスなどが侵入しやすくなります。皮膚(肌)の調節作用も低下して、汗がダラダラ出たり風邪をひきやすくなったり、逆に「肺」が乾燥すると肌荒れやカサカサ、弾力がなくなるなど、また髪がパサついたり、艶がなく切れ毛、枝毛などの原因になったりします。

 

豊富なアミノ酸やビタミン・ミネラル

 17種類のアミノ酸とビタミンB1・B2・Eやβグルカン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどさまざまな栄養素が多く含まれています。

100 gあたりの栄養価
エネルギー 678 kJ (162 kcal)
 
炭水化物
74.5 g
糖質(単糖当量) 3.6 g
食物繊維 68.7g
 
脂肪 
   0.7 g
飽和脂肪酸 0.1 g
一価不飽和脂肪酸 0.23 g
多価不飽和脂肪酸 0.15 g
 
タンパク質
  4.9 g
 
ビタミン
チアミン (B1)
(10%)
0.12 mg
リボフラビン (B2)
(58%)
0.70 mg
ナイアシン (B3)
(15%)
2.2 mg
パントテン酸 (B5)
(27%)
1.37 mg
ビタミンB6
(8%)
0.10 mg
葉酸 (B9)
(19%)
76 μg
ビタミンD
(101%)
15.1 μg
 
ミネラル
ナトリウム
(2%)
    28 mg
カリウム
(30%)
1400 mg
カルシウム
(24%)
  240 mg
マグネシウム
(19%)
    67 mg
リン
(37%)
  260 mg
鉄分
(34%)
   4.4 mg
亜鉛
(38%)
   3.6 mg
セレン
(1%)
   1 μg
 
他の成分
水分 14.6 g
水溶性食物繊維 19.3 g
不溶性食物繊維 49.4 g
ビオチン(B7 86.9 µg

ウィキペディア フリー百科事典より

フワフワでプルンプルンの最高級白きくらげ

 白きくらげは、中国や台湾で良く売られている食材ですが、さまざまな種類があり人工栽培されている物は丸いスポンジのような形をしています。

京都伝統中医学研究所で取り扱っています「台湾産白きくらげ」は、台湾の乾物市場で販売されている中でも最も高級品で、よく乾燥していてフワフワで花が開いたような形で、水で戻すと大きくなりとても肉厚で歯ごたえのある食感で最高級の白きくらげです。

 

 たっぷりの水で長時間トロ火で煮ると、トロトロになってとろみが出てきますが、これがムチンと言われる粘性物質で、コラーゲンがたっぷり含まれていて肌に潤いと弾力を与えてくれます。ムチンは、糖を多量に含む糖タンパク質(粘液糖タンパク質)の混合物で、体の中で細胞の保護や関節などの潤滑物質としての役割を担っています。水溶性食物繊維に分類され、オクラや里芋のネバネバ成分もムチンと称されています。



[下処理方法]

水またはぬるま湯に10~15分間ぐらい浸して戻します。

軸のところが硬いので、気になる方は指でちぎって下さい。

白きくらげ30グラム入り。

ボウルなどに白きくらげを適量入れ、ひたひたになるまで水またはぬるま湯を入れ約10分~15分程浸けて戻します。

柔らかくなったら、いろいろなお料理にお使い下さい。

 

石づきの部分が固くて気になる方は、切り取ってお使い下さい。

もどし汁にもエキスが出ていますので、そのままお使い下さい。



※注意事項

 特に注意することはありません。 

 根元が深い黄色に変色したり、粘りが出たりして変質した物は、嘔吐、腹痛、下痢などを引き起こす毒性があるので食べないように気をつけましょう。

 


おすすめの食べ方

他のキノコと同じようにいろいろな料理の具材に使えますが、中華料理のデザートで銀耳氷糖(インアルビンタン)で有名です。

白きくらげのスィーツ

(銀耳氷糖)

中華料理のデザートでよく出て来る薬膳スィーツ。

白きくらげとなつめ、枸杞の実、梨、リンゴなどお好みのフルーツなどと一緒に煮ます。 

薬膳お鍋

こちらも手っ取り早く、冬の定番、あらゆるお鍋の具材として。

エキスが出るので子供にも効果的。 




黒きくらげを配合した薬膳茶&薬膳食材、薬膳スィーツ