常備しておきたい薬膳食材

 スーパーでは手に入りにく漢方食材ですが、普段の料理にちょっと加えるだけでイヤな症状を改善したり体の不調を整えてくれる簡単に使える漢方食材を集めました。漢方薬のように苦いとかマズイとかといった、食材自体に特に味がないので使いやすい食材ばかりです。

乾物なので常備しておき、いろいろなお料理に加えてお使いください。エキスが滲み出て簡単に薬膳効果が得られます。


はと麦[はとむぎ]

水の滞りを整えて、むくみ解消や美肌を作る

五性:涼

五味:甘・淡

帰経:脾・肺・腎

分類:利水滲湿

 

管理こんな体質におすすめ:気虚、湿痰、陰虚、湿熱

中医学的効能    :健脾補肺、清熱排毒、利水滲湿、小便不利、水腫、脚気、脾虚泄瀉、

           風湿痹痛、四肢痙攣、肺癰、腸癰

食品が持つ主な作用 :むくみ、だるさ、下痢、神経痛、リウマチ症状、食欲不振、吹き出物、

           シミ、そばかす、美白、イボ

           昔から、イボ取りの妙薬として使われてきました。首すじや顔に出来た

           水イボなどがきれいになります。


 生薬の名前を薏苡仁(よくいにん)と言い、からだにこもった余分な熱を取り除き、脾(お腹)の調子を整えて働きを高めてくれるので、水分代謝を促し、体に溜まった余分な水分を足りていないところに送る働きをします。つまり浮腫んでいるところの余分な水分を、カサカサになった肌やパサパサになった髪、また乾燥した便に水を送り届けるので、むくみが解消する上、さらに皮膚には潤いを与えモチモチで艶やかな肌を作り、髪もツヤや弾力がでて、便秘も解消するという優れもので、女性にとって強い味方です。

 

水の摂り過ぎは湿邪という水毒に変わる

 よく水を1日2リットル飲みましょう…という話をテレビや雑誌で見かけます。

そういう記事を見かけるたびに、「本当にそれほど水が必要なのかな?」と思います。

 中医学では、「水」のことを「津液」(しんえき)と言います。

さらに専門的に言うと「津」と「液」に分けられ、「津」は透明で稀質(澄んでいてサラサラ)で、流動性が大きく、からだ全身の体表部の皮膚や筋肉や孔竅(こうきゅうと言い、鼻や口や目や耳などの粘膜)に分布していてそれぞれの器官を滋養し、また血管の中に出たり入ったりする水分です。「液」の方は、濁って粘稠性(ねんちゅうといい粘り気がある)であまり流動性がなく、関節や臓腑、脳や脊髄などに分布していてそれぞれの器官を滋養しています。

 このように、からだにとって必要な水分のことを「津液」と言うです。

基本的に「津液」は、水穀精微(すいこくせいび)と言って、飲食した物から脾胃で吸収されて作られます。また小腸の秘別清濁(ひべつせいだく)作用によって清らかなもの(からだに必要なもの)が吸収され、さらには大腸の食物残渣から再吸収されて、からだに必要な水分だけが取り込まれ、それ以外は便や尿や汗で体外に排泄されます。

 ですから、からだにとって必要な水分、つまり「津液」は水分をゴクゴク飲むだけでは補給されず、飲食した物から、からだに必要な水分を作るためには「脾・胃・小腸・大腸」の働きが欠かせません。からだにとって必要な水分「津液」を補うためには、水を飲むだけでなく「脾・胃・小腸・大腸」と言った胃腸の働きを高めることが大切なのです。

 人によりますが一般的な数値として、私たちは1日に1.5リットルから2.5リットルぐらいの水分を尿や便、汗、呼吸などから排出しています。でも、屋外で仕事をしている人やスポーツ選手と、一日中エアコンの効いた室内でデスクワークをしている人では、水分を失う量もかなり差があります。また、同じ人でも、真冬の寒い日と真夏では全然汗の量も違うし、真夏の熱帯夜などは寝ているだけでも相当汗をかいています。このように、個人の生活習慣や生活環境、また季節や住んでいる環境でも全然違うのですね。

 その失った水分を補う必要がありますが、普通は食事の中のご飯やおかずにも水分は含まれているし、スープやお味噌汁、食事中に飲むお酒やお茶からも水分は補給されています。ちょっと休憩タイムにはコーヒーやジュースなどを飲んで喉を潤します。ですからあえて、水をゴクゴク飲まなくても、普通の生活で失った水分は、普通の食生活などから十分補給されているのです。

 特に、今日は屋外で作業をしたなど普段よりたくさん汗をかいたとか、熱帯夜で寝てるだけでも汗びっしょりの時などは、失った分の水分補給は必要ですが、そうでもないのに食事や休憩の時の水分補給以外に、ペットボトルを持ち歩いて飲みたくないのに「頑張って水分補給しなくっちゃ」というのは間違っています。

 必要以上に飲んだ水分は、体の中に余分な「湿(しつ)」として溜まります。巡りの悪くなった水のことを「湿邪(しつじゃ)」と呼び、からだにとって悪さをする邪気に変わります。このことは意外と知られていません。便秘の解消やお肌に潤いをなどと言って水をゴクゴク飲んでいる人を良く見かけます。 

そんな人に限って、足腰が冷えるとか、足や顔がむくむとか、頭が重いとか体がだるいなどと言っています。今、なにか気になる症状がある人は、ちょっと考えてみて下さい。ひょっとしたら余った水がからだの中にたっぷりあって、巡りが悪くなっていませんか?

 中医学では、水の巡りが悪くなった体質を「湿痰(しつたん)」や「痰湿(たんしつ)」「痰飲(たんいん)」、「水滞(すいたい)」などと呼びます。さらにひどくなって粘り気が出て来ると「痰濁(たんだく)」、体温などで熱せられると「湿熱(しつねつ)」、冷えと結びつくと「寒湿(かんしつ)」などの邪気になってからだに悪さをするようになります。


アレルギー、慢性病など難病の原因は水毒が多い

 からだの中の水の巡りが悪くなってよく起こる症状として、浮腫み(むくみ)、肥満(水太り)、頭や体が重い、全身のだるさ、腰や膝などがダル痛い、頻尿、多汗、下痢、軟便、おりもの、湿疹、水虫、足腰の冷え、四十肩、腰痛、イボや瘤(コブ)、口臭、吐き気、食欲不振などの症状が起こるようになります。さらに水の停滞が長引くと粘り気が出たり熱と結びついたりして、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、水疱瘡、ヘルペス、めまい、喘息、動悸、認知症、膠原病、大腸炎、膀胱炎、膣炎、乳腺炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、歯肉炎、坐骨神経痛など何度も症状が繰り返したり、原因がよくわからない難病と言われる病気の多くが「湿邪(しつじゃ)」がかかわっていることが多いのです。

 

 中医学は、バランスをとても大切にします。水分が足りなくても良くないし余っていても良くありません。ちょうど良いバランスの取れた状態を「中庸(ちゅうよう)」と言いますが、過不足なくちょうどよい量できちんと全身を巡っていることが健康な状態だと考えるのです。 

 季節やその日その時の汗やおしっこなどで水分を失った状態など、からだの状態を良く把握して状態に合わせて小まめに水分補給をするように注意しましょう。

わたしたちのからだは、いつも一定のように思いますが、実は季節や気候など自然は日々刻々と移り変わっており、それに順応しようとからだも絶えず変化しているのです。

ですから、体質チェックのページから、体質診断チェックを行っていただき『今現在の体質は、どうなっているか』を知って、対応することが大切なんですね。 

  

水の巡りを整える利水効果

 下半身や顔はむくんでいるのに、便秘だったり、ある場所の肌はカサカサなどと言った症状が同時に起こっている人を良く見かけます。

ちょうどダムの上流と下流のようなイメージで、せき止められたダムより上流は水が余り、行き場がなく細胞や皮膚に溜まってるいる状態で、逆にダムより下流は水が足りずカラカラの状態になっています。

    こんな時は、ダムの水門を開き上流の水を下流に流してあげることで、余った水が足りないところに行き渡り、むくみや乾燥が同時に解消されるのです。

はと麦は、このダムの水門を開くのと同じような働きがあり、余った水分を足りないところに送るとともに、利水効果により「腎(じん)」の働きを活発にし、腎精を高めホルモン分泌も円滑になり皮膚に潤いや弾力・ツヤを与えます。


ラオス産のはと麦

 ラオスっていうとあまり聞きなれない国ですが、ベトナムとタイに挟まれた海に接しない内陸国で、タイとの国境をメコン川が流れ水資源が豊富で稲作を中心とした農作物がとても重要な産業だそうです。近年のラオス政府では、食品の安全性を向上させるために、化学肥料や農薬の使用が少ないラオスの農業の強みを活かしたクリーン農業を推進しており、 原始的な農耕法で農作物の栽培に農薬や化学肥料は使わず安全・安心な農作物が作られています。 

 はと麦の原産地は、もともとこの辺りではないかと推定されており、これが中国に伝わり古くから食料として栽培され、また昔から美容効果があることが知られていて宮廷料理として使われてきたようです。

 

はと麦の美容効果

 日本で最も古い医学書「医心方」にも、薏苡仁(よくいにん)という名で記載されており薬草として使われてきました。

中国最古の薬学書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう」には、気を補い不老長寿に効果がある上品薬に分類され、「本草網目(ほんぞうこうもく)」では「脾を健にし、胃を益し、肺を補し、熱を消し、風を去り、湿に勝つ」と効果が記されています。脾(ひ)とは消化器系のことで、胃腸を丈夫にし、肺や皮膚などの呼吸器系を補い、余分な熱を冷まし、風や湿と言った邪気を取り除く効果があるという意味です。

 特に、肌の改善に効果があると知られ「養生訓」で有名な貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう」にも、ひどいニキビにはと麦を煎じて飲むと効果があると書かれています。また、イボ取りの妙薬としても知られ子どもが良くかかる水イボや、歳を取ると首筋などに出来るイボを取り除く効果があるので民間薬として重宝されてきました。

 イボ取りの民間薬として昔から知られていたはと麦ですが、コイクセノライドという抗腫瘍成分や各種ビタミン、アミノ酸、パルミチン酸、コイクソール、トリテルペノイドなどの生理活性物質の存在も明らかになり、シミ・ソバカスやニキビがきれいになったり、目の周りに出来る脂肪腫(リポーム)や主婦湿疹などにも効果的です。

 

はと麦のダイエット効果

 中医学では、「肥満」も体質によっていろいろなタイプがあると考えます。

色白で、お腹やお尻、太ももなどにポチャポチャとした脂肪がつく肥満タイプは、からだの中の水の巡りが悪くなった肥満で、実は水太りなのです。こんな水太り肥満タイプは、お腹が弱く何となくからだが重だるく、疲れやすいタイプが多いです。舌を診ると下の周りに歯の型がギザギザとついていたり、舌自体がボテッと大きく、全体に白っぽい舌をしていることが多いです。目ヤニやおりもの、下痢や軟便気味が多いです。

 はと麦は、お腹(胃腸)を整えて働きを高め、豊富な食物繊維や利尿作用でデトックス効果が高く、体の中の余分なものを排泄し、水の巡りを整えて水太りを解消します。

100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,506 kJ (360 kcal)
 
炭水化物
72.2 g
食物繊維 0.6 g
 
脂肪
1.3 g
 
タンパク質
13.3 g
 
ビタミン
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(4%)
0.05 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.5 mg
パントテン酸 (B5)
(3%)
0.16 mg
ビタミンB6
(5%)
0.07 mg
葉酸 (B9)
(4%)
16 μg
 
ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(2%)
85 mg
カルシウム
(1%)
6 mg
マグネシウム
(3%)
12 mg
リン
(3%)
20 mg
鉄分
(3%)
0.4 mg
亜鉛
(4%)
0.4 mg
 
他の成分
水分 13.0 g
不溶性食物繊維 0.6 g

Wikipediaより引用


「はと麦(はとむぎ)」は、こんな方におすすめ

■手や顔がむくむ、からだがだるい、頭やからだが重い、水太り(湿痰)

■肌あれ、皮膚がカサカサ、髪がカサカサ、便秘(陰虚)

■お腹の調子が弱い方(気(脾)虚)
■高血圧を予防したい方 (陰虚、湿(血)熱)

簡単に食べられます

 はと麦は、皮を取り除いて精白したはと麦を丁寧に焙煎してあります。 香ばしい香りで、ポリポリした食感でそのままお茶請けやおやつにぴったりです。

または、お茶パックに30グラムほどのはと麦を入れ600㏄のお水で煮出して、ハトムギ茶としてもお召し上がりいただけます。

 



[下処理方法]

特に下処理は必要ありません。そのまま食べられますし、いろいろなお料理に加えてもお使いいただけます。 


※注意事項

 1日使用量の目安 9〜30グラム。

 湿気に気をつけて、乾燥する場所で保存して下さい。

 食べ過ぎにご注意ください。

おすすめの食べ方

そのままポロポリと召し上がれます。その他、乾燥したままお料理に混ぜてお使い下さい。

お味噌汁やスープ

おお味噌汁の具材やスープのクルトンの代わりに。

はと麦粥やお茶漬け

お粥に混ぜてはと麦粥に。

ご飯にはと麦と昆布茶を振りかけて熱湯を注ぎ、お茶漬けに。 

ヨーグルトやグラノーラに

ヨーグルトのトッピングやグラノーラに混ぜてもOK。

麹甘酒

飲む点滴、麹甘酒にトッピングに


はと麦を配合した薬膳茶&薬膳食材、薬膳スィーツ